重度心身障害者通所施設「朋」
[1986年竣工 RC造2階 延べ1,370㎡ 横浜]
本施設は、全国で最初の在宅重度重複障害者のための通所施設として計画された。
ほとんど動けない通所者のためには広々とした室内環境と柔らかい明るさが必要である。多目的ホールを中心とした居室群を極力広くとり、大きな窓とトップライトの大幅採用により自然光を最大限に取り入れ、ルーバー・スダレ・カーテンによる多様調光でやわらかな明るさを確保した。
2階部分には、地域に開放する集会室を設けている。外部からの直接アクセスと施設との接点にラウンジ空間を設け、区分しながらも自然に相互の交流が生まれるように意図している。
外部デザインは、周辺地域になじむよう、勾配屋根と高さを抑えた水平方向への流れるデザインを意図した。また、大きな軒樋を隠すために厚くなる軒先を、段状カットのディテールにより、軽快さと水平方向への伸びやかな広がりを創出している。