特別養護老人ホーム『太陽の國』

[1984年竣工/1992年増築 RC造3階 延べ5,497㎡ 横浜]

1980年代、まだお年寄りイコール和風という一般論が根付いていた。
それに疑問を持ち、そのイメージから脱却して自由な発想で企画されたのがこの『太陽の國』である。
建物のほぼ中心にある大空間は、主用途は食堂でありながら、同時に地域交流の接点ともなる重要な空間である。
3階分を吹抜空間としたのは各種イベントの音響的効果を考えて等の理由も勿論あるが、何よりも各階の居住区から視覚的コミュニケーションを可能にする狙いがあった。
ともすると単調な生活、消極的な気持ちになりがちな入居者が、ここで行われる様々な事を見聞きして興味を持ってくださり、さらに次には自分も参加したい!と思っていただけたなら・・・と思い設計を行った。